※2013年8月13日、池袋シアターKASSAIにて行われたトークイベントを再構成したものです。

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今までに起こった最大のハプニング、配役の時に意識していること

 

マクガフィンズ脚本 横田:
(質問を読み上げて)「今までハプニングなどありましたか?ありましたら教えてください」
一個でっかいのがあるんですよ。あれいつだったかなほんとに。
(古田島を指して)こいつがやらかしたんですよ。やらかしたっていうか……本番一ヶ月前ぐらいに、おれ家で寝てたら水越さんから連絡が来て、電話で「古田島が、古田島が倒れた」って。エーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!?

マクガフィンズ演出 古田島:
入院しちゃったんですよ、とある理由で。夜中に倒れて、朝方すぐ電話しないと思って水越さんか横田に電話して、横田には繋がんなくて留守電に入れて、水越さんとは繋がって2、3日休みますって。
で……理由いっとく?

横田:
尿管結石!やべえやつだよ!(笑)

古田島:
実家に住んでたからよかったけど……深夜の一時二時ぐらいにお腹が痛くて起きたんですよ。トイレ行っても全然出なくて。出ないけど、しょうがないと思って寝ようとしたんですけど、どんどん痛くなってって……この痛みはなんかおかしい。全然寝つけない!
やばいやばいやばい!!誰かーーーーーーーー!!!!!!
誰かーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!

横田:
あっはっはっはっはっは!(笑)

古田島:
おかーーーさーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!

横田:
あっはっはっはっはっはっはっは!!(笑)

古田島:
いや、もう、アレ本っ当に痛いんですよ。出産並みに痛いらしい!

横田:
どのへんが痛いの尿管結石って?

古田島:
(背中側、腰よりちょっと上を押さえて)ここ!
心臓と膀胱の間辺りに管があるんだけど、そこにちっちゃーい石が詰まるとめちゃめちゃ痛いの!
ストレッチャーってあるじゃない?搬送用のベッド。あれにも乗れなくて。
乗ってものたうち回って落ちちゃうから、先生に「もう、おります!」って。

横田:
(笑)

古田島:
やばいのがその、管に石が詰まってるから、ちょっと汚い話なんだけど尿が出ないから気持ち悪くなっちゃう。

横田:
おお……!

古田島:
気持ち悪くなっちゃうのどんどん。上からも下からも。で、やばいと思ってトイレいったら、一回真っ赤なものがドロッて出て。

横田:
ええー!?

古田島:
で、石がコロンコロンって。

横田:
はやいな!!

古田島:
痛みがスーって消えてったんだけど。やばいよ。
見た?この前テレビで特集やっててさあ。

横田:
尿管結石の!?見てねえよ!なにその特集!?

古田島:
めちゃめちゃ痛いから!で、夏場に多いらしい。
尿の色が濃いときは怪しいらしいから水分を取ったほうがいいよ!
……何の話をしてんの?

横田:
尿管結石の話だよ。

古田島:
全然芝居と関係ないわ。次いこう!

※※※

横田:
(質問を読み上げて)「配役のときに意識していることは何でしょうか?」

古田島:
バランスですね。

横田:
バランス?

古田島:
大学生の時ある劇団に出てて、そこの演出の人が「キャスティングをミスらなければ芝居が大きくコケることはない」って言ったんだよね。

横田:
おお、キャスティング命だと!

古田島:
うん。そこで「なるほど!」と。
キャスティングに関してはさっきの言葉をちょっと気にしながら毎回いくつか冒険するんですけど、この先みんな成長せずにいったら誰も何も大きくならないんで、どうするかなって考えて。「この人こういうことやったことないけど、こういうことやって欲しいな」っていうチャレンジ要素をいくつか入れるんです。ただ稽古期間も限られてるので、それをあんまりやりすぎちゃうと……だから、どうしても抑えるところは抑えちゃいますね。

横田:
うん。

古田島:
「何度もすみません」の時も、実はちょっと冒険しようと思ってたんですね。
横田が主役でやったんですけど、客演に平本和寿樹という人がいて。

横田:
なんて言えばわかるかな?ええと……催眠術バーの。

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(写真右、MacGuffins #7「何度もすみません」平本和寿樹)

古田島:
そうそう。催眠術バーの店長やってた人なんですけど。
平本を主役に置こうかって考えてたんですが、台詞色々読ませて、んー……「この博打は危険だな」と!

横田:
(笑)まあ博打はもともと危険なものですけどね!

古田島:
ここは博打打つとこじゃないかなと思って結局横田にしたんですけど。もしかしたら横田が催眠術バーの店長だったかもしれない。

横田:
そうですねありえますねホントに!そうか、そういうバランスか。

古田島:
そうだね。だから博打打つとこは打ちたいんですけど、打てないこともある。それをやるかやらないか、いつも凄く悩んでて。

横田:
「僕から見れば僕が正しい、君から見れば君が正しい」では博打は打ったの?

古田島:
んー。小林龍二が基本的に博打だよね。
「コミュニケーション記号体系」で教頭やってた。まああの人は博打って言うか、爆弾だよね。

横田:
(笑)全然意味が違ってくるけど!?

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(MacGuffins #6「僕から見れば僕が正しい、君から見れば君が正しい」小林龍二)

古田島:
小林龍二は「獣の仕業」っていう劇団でやってるんですけど、舞踏というか、演劇と舞踏の間の感じ。
表現が抽象的で、演じるのが難しい芝居やってるから、こっちにしてみれば何が飛び出すかわかんない。

横田:
引き出しに何が入ってるかわかんないからね。

古田島:
そうそうそうそうそうそう。獣の仕業の芝居は何度も見てるんだけど、マクガフィンズでは出せないものしか見てないから。あとはまあ渡慶次とか。

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(写真右前、MacGuffins #6「僕から見れば僕が正しい、君から見れば君が正しい」渡慶次信幸)

横田:
渡慶次信幸(とけしのぶゆき)。旗揚げ公演参加メンバーね。「僕から見れば僕が正しい、君から見れば君が正しい」では、ウソついて鼻が伸びる夫とか、ハナデルマン語の親善大使とかをやってもらったね。
渡慶次は意外と若いんだよね。21ぐらい。大学卒業したばっかりですよ。

古田島:
渡慶次はある意味博打でしたね。そこで怖いから、水越とか横田とか、客演さんの上田恒平とかを楔において、芝居が安定すればいいかなと。
渡慶次にお願いしたのは飛び道具的な役ばっかりだったけど、飛び道具は飛び道具として出てくれればいいし、同時に芝居を安定させられる人が何人か同じシーンに絶対いるっていうふうにして。そうすれば本番中になんか問題が起きても何とかなるのよ。だから稽古も「つまずいても絶対いつか先に進める」という希望が見える。

横田:
一番苦労したのありましたよね。「僕から見れば僕が正しい、君から見れば君が正しい」で一番苦労した短編。「会議は踊る」っていうヤツ。

古田島:
あれはもーーーーうスゴイ大変で!
あれは小林龍二が上手く効いたんですけど。たとえば水越は一番最後に出てくるし、横田も場は回すけどあんまりぐいぐい前に出てくる役じゃない。だから稽古中、芝居が転がんなかったんですよ。「動け」って言ってんだけど動けない。「前に出ろ」って言っても誰も出ない。

横田:
そん時に小林龍二が稽古場でボーンと前に出たんだよね!

古田島:
暴走したんだよね!

横田:
暴走、と言ってもいいと思いますね!

古田島:
普通だと「出すぎ出すぎ!!」って言うくらい出てきたんだけど、そこで「チャンスだ!!!」と思って「もっと出ろ!もっと出ろ!!もっと出ろ!!!」って。

横田:
(笑)こちらとしても助かったんですよ本当に。

古田島:
で、まわりの役者には「いいから全力で抑えろ! 龍二はそれに負けずに前に出ろ前に出ろ!!」って。

横田:
荒っぽいやり方ですね。

古田島:
それでやっと場が回り始めて形になっていった。うちは一回目の通しがものすごい早くて、大体稽古初日から一週間ぐらいで通しで。遅くても二週間ぐらいでは通してるんですね。

横田:
そうですね。稽古日数で言うと4、5日目。
「赤鬼」の時は4人芝居で、4回目ぐらいの稽古で通し。

古田島:
そうなんですよ。だからすごく短い間にキューって詰め込んで形だけ作ってまずは一回通すっていう感じで進めるんですけど、その「会議は踊る」だけは……「会議は踊る」だけは形にならない状態で。「もう先見えないならいいや、一回通そう」って。

横田:
ああー!そんな感じだった気がしますよ本当に!(笑)

古田島:
で、一回通しをしてから、通し後の稽古で龍二が動いてくれて、なんとかなったっていう。

横田:
「傘を盗む奴撲滅委員会」はどうです?

古田島:
あれはー、有村さん(有村優太)に助けられましたね。有村劇場でしたね。

横田:
有村劇場!(笑)そうね、一人で引っ張るみたいな感じ!

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(写真左、MacGuffins #6「僕から見れば僕が正しい、君から見れば君が正しい」有村優太)

古田島:
有村さんが舞台上に出てきてからは抜群に安定してたかな。
あと「僕から見れば君が正しい」と「君から見れば君が正しい」は、恒平(上田恒平)とか拓ちゃん(黒岩拓朗)とか金魚とか、個々の役者がすごく安定していたので、稽古が全然進まないって感じはなかったかな。あとは「帰宅部全国大会出場」か。あれはすんなりいったよね。

横田:
あれはすんなり。そうですね、演出付けられたのどこだろ?みたいな。

古田島:
おれ稽古中に、「ロマンティックあげるよー」「誰かロマンティックとめてー」って歌を歌う2人が出てくるところなんですけど、演出席で「殺せー!!殺せー!!」

横田:
(笑)言ってましたね!他の役者を殺す勢いで来いと!

古田島:
「喰えー!!喰えー!!!」

横田:
喰うのは無理ですけど!ホントに!!(笑)

古田島:
その他のヤツは大体うまくいったんだけど、「会議は踊る」だけはホントに長かった。

横田:
あれは長くかかった。オープニング映像後の最初の話だからしっかりしろ、みたいなのもありましたし。

古田島:
そうそう!オープニング映像は勢いがある感じのものだから、その勢いをそのまま持っていって、その流れで芝居に勢いをつけさせたいんだって話をして。でも「会議は踊る」は他の話の出来と比べて一番勢いがないから、どうなってんのって。

横田:
あの時はすげえ色々話した気がするな。もめてはいないんだけど、悩んだよね。みんなで。

古田島:
あとウチは役者があんだけ多い舞台が初めてだったから、それもあるよね。
舞台上をどうやって動いたらいいかわかんないとか、シアターKASSAIさんを使わせてもらったのも初めてだったから、とか。そういうのもあるのかな。

横田:
そうね。いろんな要素がありましたね。

古田島:
結果的にうまくいったので、それはそれで良かったですよね。

 

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