※この作品紹介は、2013年8月に行われた過去公演ノーカット全編配信イベント「MacGuffins Night」の際に執筆したものです。
MacGuffins Night #2「こうして二人は幸せになりました、とさ」
2013.8.14(Thu) 22:00 ON AIR.
MacGuffins Ustream channel
「お前がすきな方を、お前が自分で決めてくれ」
言われたい台詞、胸に刺さる台詞がたくさんあって、最後泣いてしまいました。
特に「自分で決めてくれ」という台詞が印象的。
つらい現実をやさしく包み込んだストーリーでした。
(Electoron、CoRich舞台芸術「こうして二人は幸せになりました、とさ」レビューより一部抜粋)
まっすぐな感じが可愛い。
正直、お話は少女漫画的でこっ恥ずかしいし、演技は力み過ぎでやっぱりこっ恥ずかしい。
でも、不快な感じがなくて、
「がんばっとるねぇ」ってなんか親戚のおばちゃん目線でした。
(ウド吉、CoRich舞台芸術「こうして二人は幸せになりました、とさ」レビューより一部抜粋)
臨死状態の女性が「人生の反省会」を経て、
生き返るかそれとも死を選ぶか、決断をくだす物語。
終盤はグッとくるものがあるが、前半をあまりにギャグっぽく作りすぎているために、
そのギャップが大きく、ストレートに心に響いてこない。
また物語の大部分が無意味な大声・早口で進められて行くのも違和感がある。
スピード感を演出しようとしているのかもしれないが、
このようなラストを活かすためにはもっと違った手法が必要だったのではないだろうか。
(kazuoga5409、CoRich舞台芸術「こうして二人は幸せになりました、とさ」レビューより一部抜粋)
見に行って良かった。大いに笑って、大いに泣きました。
見終わった後に、優しくなろうと思えるようなおはなし。
終演後のお客さんたちがはじまるまえより少し、あたたかくなっていたようでした。
ありがとうございました。
(立夏、CoRich舞台芸術「こうして二人は幸せになりました、とさ」レビューより一部抜粋)
人生はドラゴンクエストのゲームじゃないし。自分で電源は切れない。
二人でひとつ、だから半分になってもひとつ。
それに気づいた、幸せ。
一平の紙芝居シーンで、恋人のサチに向かって強く言った、
「覚悟しろー」の一言から一気にシリアスに・・きちゃいました。
相変わらず映像も音楽もステキでした。
MacGuffins色、全開です・・が前作より音楽控えめでしょうか?
私は3作目ですが、観るたびに好きになっていきます。
(Magnoliarida、CoRich舞台芸術「こうして二人は幸せになりました、とさ」レビューより一部抜粋)
このタイトルを知った時、ちょっと芝居を知っている人なら、
「ああ、これは通常の、いわゆるハッピーエンドにはならないのだな」
ということはわかっただろう。
僕も、そうでした。
しかし、アンハッピーエンドになるとして、
どのように決着をつければ、このタイトルにふさわしい結末になるのか。
矛盾を内包したタイトルでは、あります。
脚本の横田氏は、どんなふうに物語をつくるのか。
僕はその興味で、劇場に向かいました。
「まさか、古臭い心中ものにするつもりじゃないだろうね」
しかし、しかしです、そんな僕の杞憂をふきとばす、
とっても素敵な結末を、彼らは用意してくれていたのです。
すばらしい、MacGuffins !
(ミドル英二、CoRich舞台芸術「こうして二人は幸せになりました、とさ」レビューより一部抜粋)
「おれさぁ、ドラゴンクエストの王様ってすごく残酷だと思うんだよねー。
そりゃ勇者にもいろいろヤな事あると思うよ?
もういっそのことここで死なせてくれよ!って事もあるかもしれないけど、
気付いたら勇者はまた王様の前にいて『行ってこい』って言われるんだぜ!?」
会えないときのために、こんにちはこんばんはおやすみ。
マクガフィンズで脚本を書いております、横田純です。
四公演を四夜連続でユーストリーム配信するMacGuffins Night。
二夜目は、2012年2月に上演した「こうして二人は幸せになりました、とさ」です。
主人公・国本サチがふと気づくと、4人の王様に囲まれているところから物語は始まります。
その4人の王様っていうのは、みんなどことなくサチの知り合いに似ていて、というか、知り合いそのものでした。
知り合いが扮する4人の王様は、「パーティしようぜ」「それならおれ余興やるわ」と盛り上がり、
そこから王様同士の不毛な論争が幕を開け。
どうでもよくなったサチがテレビをつけると、突然ニュースキャスターが、サチのことをニュースでしゃべり出す。
「次は、東京都在住・国本サチさん、25歳に関するニュースです」
「国本さんは昨年のクリスマスイブに、お付き合いをしている彼氏の難波一平さんとケンカをして、
別れる寸前までいってしまったとのことです」
突然のことでビックリしていたら、王様の中のひとりがこう言うのだ。
「ああ、もしかしたらこれ、走馬灯かもなあ」
「知らない?死ぬ前に、なんか思い出とか、心残りだったことみたいなのが、一気にバーって流れるやつ」
いや知ってるけど。
え?なんでそれがあたしに見えんの?
「え?だってお前死んだじゃん」
「お前、死んだんだよ」
「あー、私が終われば世界も終わりなんだぁ。世界の終わりって意外とせまい範囲で起こるんだって、そう思った」
あの世とこの世の境目のような不思議な空間で、カレシによく似た男と一緒に、自分の人生の大反省会をくり広げる!
どうやら非常にマヌケな理由で死んだらしい私に、カレシによく似た男は言うのだ!
「お前は心肺停止状態だから、完全に死んだわけじゃなくて、蘇生の可能性が残ってる」
「生き返れるかどうかは最後に決められるから」と!
最後とかどうでもいいから!
あたしゃ今すぐ生き返るから!
そう言ってるのに、カレシによく似た男は許してくれない。
まあまあまあ、と言いながら。
へらへらしながら私の思い出のひとつひとつを思い出させるのだ!
人生における大きな分岐点や時系列を飛び越えて、すべての可能性を試していく!
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」
シェイクスピアの有名なセリフに、フツーの女が真っ向から対峙する!
「LOVE LIFE、お前人生を愛しなさいよっていう」
「どうでもいいけどLOVE LIFEって、人生を愛しなさいじゃなくて、熟語で『性生活』って意味だからね」
たとえば、ニューシネマパラダイスみたいに。
小さな映画館で、観客は自分ひとりだけで。
自分の人生の楽しかったこととか、ツラかったこととか、胸をえぐられるような思い出のシーンが次々上映されて、
ポップコーンでも食べながら、反省会ができたらいいなあ。
そんなことを思いながら作りました。
あの時、本当はこうすればよかったんじゃないのか?
こうしたら、運命は変わっていなんじゃないのか?
満足いく自分でいられたんじゃないのか!?
いろんな後悔は先に立たないものですが、いつまで経ってもずっと胸にひっかかり続けることもあって、
リセットもできないしセーブもない。
あらわれる選択肢だって「どっちかが正しい」わけじゃないかもしれない。
「どっちもイヤ」なものだったり、「選べるものが全部間違っている」という可能性だってある。
それでも、この毎日の生活はゲームなんかじゃないから。
山ほどの「どうにもならないこと」を抱えながら、自分で、ちゃんと決める話です。
今まで続けてやってきたpit北/区域という劇場を飛び出し、上野ストアハウスという劇場で公演を打ってみた第5作目。
「こうして二人は幸せになりました、とさ」です。
どうぞ、お楽しみください。
2013年8月13日
MacGuffins 脚本 横田純(Jun Yokota)
※「こうして二人は幸せになりました、とさ」関連ページ
演出、古田島啓介の「こうして二人は幸せになりました、とさ」前口上