※この作品紹介は、2013年8月に行われた過去公演ノーカット全編配信イベント「MacGuffins Night」の際に執筆したものです。

MacGuffins Night #1「全部ホントで全部ウソ」
2013.8.13(Wed) 22:00 ON AIR.
MacGuffins Ustream channel

 

「僕の頭の中に、今まであなたが見せてくれたいろいろな顔が、残像のように駆け巡る」
「その時、なんとなく気づいた。僕に足りなかったものは、危機感」

 

「この舞台を観たら、幸せな気持ちになれたよ」
「なんだか目の前がちょっとクリアになって、世界が色鮮やかに輝いてる気がしたよ」
と言って人に勧めたい。そんな舞台でした。
そうして勧めて観に行った人は 「まっすぐな恋愛をしたくなった」 と言ってました。
そう。 まさに「まっすぐ」なんだと思います。
登場人物も、マクガフィンズの人たちも。
だから見ているこっちも、まっすぐな気持ちになれる。
なんだか少し疲れている人に。元気が欲しい人に。
ちょっと立ち止まって、行き先を探している人に。
マクガフィンズの舞台、オススメです。
(白猫、CoRich舞台芸術「全部ホントで全部ウソ」レビューより一部抜粋)

 

今回は、主役は1役で、あとの6名の俳優がいろいろ役どころを変えて、
スピーディに場面転換し、物語は進んでいく。
装置はなく、衣装も関係ないので、

役者たちの感性だけが芝居のテンポを作っているわけだ。
まあ、こういう芝居の作りは他でも観られるが、
この劇団がいいのは、そのテンポ、スピードが、遅からず、早すぎず、
そしてストーリー展開に、まったくムダがなく、

かといってわかりにくい、ということがない。
さらにいいのは、それが、ほぼ最後まで貫かれている点だ。
この辺は、個人の好み、なので、

余人はしらぬが、私は今日観て、確実にファンになった。
(ミドル英二、CoRich舞台芸術「全部ホントで全部ウソ」レビューより一部抜粋)


程よい臭さがラブコメの魅力で、本公演はこの魅力を上手に表現できていた。
ラストの映像も青春の一コマを映し出し、爽やかな印象を与える良い演出だった。
山口役の金魚のはにかんだ演技が素敵だった。
なんか、クラスのひかえめな美少女って感じで。
(unicorn、CoRich舞台芸術「全部ホントで全部ウソ」レビューより一部抜粋)

 

脚本も楽しくて、テンポが良くて、
映像と音楽を上手く使うこの劇団のカラーが、とてもセンス良く出来ていて素晴らしかったです。
高いテンションの場面としっとりする場面とのメリハリがあるので観るほうも夢中。
キャストの7人が、ぶれることなく最後まで駆け抜けて行くのが気持ち良かったです。
ベタなエンディングなんだけど、ほろりとしました。
(Magnoliarida、CoRich舞台芸術「全部ホントで全部ウソ」レビューより一部抜粋)

  

「人は、どうして占いを気にするのでしょうね」
「未来なんて誰にもわからないし、先生の占いだって誰も正しいかどうか判断できないのに、どうして」
「正しいかどうかは、たぶん、どうでもいいんだと思うよ」
「というと?」
「みんなね、わからないから怖いんだよ。だからきっと何か、すがるものが欲しいんだよ」

 

会えないときのために、こんにちはこんばんはおやすみ。
マクガフィンズで脚本を書いております、横田純です。

四公演を四夜連続でユーストリーム配信するMacGuffins Night。
小劇場ではあまり聞かないこの企画によって、
過去の作品を皆さんにまたお届けするにあたり、ちょっと襟を正すといいますか、
改めて今までの作品をご紹介させていただきたいと思います。

初日を飾るのは、2011年9月に上演した「全部ホントで全部ウソ」です。

朝のニュースの終わりに流れる「今日の占い」に人生のすべてをかける高木遼太郎が、
11年前からお付き合いしている山口はるに、ついに結婚の申し込みをしようと決意した待ち合わせの当日。
遼太郎は社長の息子と間違われ、身代金目当ての二人組に誘拐されるところから物語は始まります。

遼太郎のチェックする「リバーライト美登里の今日の占い」は、
今までことごとく当たり続けてきている、遼太郎にとっては百発百中の占い。
でも、はるとの待ち合わせをした日の占いは「1位」だったというのに、なんでこんなことが起こるのか!

なんとか社長の息子ではないという誤解はとけたものの、人生を左右する大切な待ち合わせに行けず、
些細なすれ違いから二人に距離ができ、関係が崩れかけてしまう!

遼太郎ははるとの関係修復を目論むも、
時を同じくして職場では会社の進退をかけた大きなプロジェクトを任され、仕事に大きな時間を割くことになってしまい、
その上、おせっかいな遼太郎の友人達が親切心から話をややこしくして、二人の距離は致命的なまでに広がっていってしまう!

すったもんだをくり返し、まわりの環境に振り回され続けながらも、
相変わらず遼太郎は「今日の占い」だけはチェックしていたのだけど、そこで遼太郎は気づく。

占いの順位が低ければ低いほど、その日に起こることは良いことになり、
逆に高ければ高いほど、その日に起こることは悪いことになる。

「占いが、逆目に当たっている」ということに!

 

「もしさぁ、この先ずっと一緒にいるとして、私が先に、病気とかでいなくなっちゃったらさぁ。
うーん……お昼がいいかな。
お昼の12時ちょうどに、こうやって、リョウの右手のところをさわるよ。
幽霊になっちゃったらもう見えなくなっちゃうけど、
そうやって決めとけば、12時ちょうどには毎日ここにいるから。さみしくないでしょ?」
「ふざけんなっ!さみしいに、決まってんだろうがぁーーーーーー!!!」

 

「大切な人にプロポーズする」という、人生の大きな節目となるドラマティックなシチュエーションをベースに、
ほぼ一本道になりそうなストーリーラインを、予想を裏切るアクシデントと強烈な登場人物たちの出現によって豪快に道を広げ、
たった一部屋から始まった話がどんでん返しをくり返し、
圧倒的なテンションと勢いでもって、宇宙まで突き抜けるような展開を見せる、
日常にちょっと不思議が混じる、エブリデイ・マジックな話です。

マクガフィンズとしては4つめの作品で、
それまで僕が書いてきた脚本の主人公は、
「家が全焼して、今まで撮りためた写真が全てなくなった写真家志望のカメラマン」
「会社をクビになり、退職金も全て盗まれてしまった才能のないサラリーマン」
など、どれも鬱屈した感情が根底に流れるものが多かったのですが、
その反動からか、底抜けに明るい話が作りたくて書いたものです。

別に誰にも気づかれなくてもいいと思って入れ込んだ小ネタとして、
遼太郎とはるが付き合い始めた「2000年」に流行した、
ヒットソングのフレーズや曲名を、セリフの至るところに潜ませていたり。

劇中に登場する「東京グランドタワー」は、
脚本執筆当時はまだ建設中だった「東京スカイツリー」をモチーフにしており、
建築データやスローガンなども、参考にさせていただいています。

いつの間にか張られた伏線が「そこにかかってくるか!」という驚きの展開を経て、
見事に回収される作品が好きなもので、「全部ホントで全部ウソ」にはその影響が色濃く出ています。

脚本を書いているとき、僕は、ものすごく広い砂浜を熊手ひとつでせっせと掘り返す自分の姿が頭をよぎります。
一体どこに埋まっているかわからない「使えそうなモノ」や「アイデア」を、
手当り次第に掘り返して探しまわって、数えきれないほどの小さなピースを集めて、
今度はそれを組み合わせて一本のストーリーにしていくという作業です。

集めたピースを、どの順番で並べて、どう組み合わせれば一番おもしろいかなあ。
どうしたらみんなビックリするかなあ、と思いながら。
ドッキリの仕掛人のような心境でした。
「でした」というか、今もそんな気持ちでやっています。
わたくしは脚本家というより仕掛人なんじゃないのか、と思います。

キャスト、スタッフの奮闘や、劇場側からのありがたいバックアップも受けて、
マクガフィンズの活動において、たしかな手応えを感じた第4作目。
「全部ホントで全部ウソ」です。

どうぞ、お楽しみください。

 

 

2013年8月13日

MacGuffins 脚本 横田純(Jun Yokota)

 

 

※「全部ホントで全部ウソ」関連ページ

Opening Movie(上演時に使用したオープニング映像)

Cast Introduction(上演時に使用したオープニング映像2)

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演出、古田島啓介の「全部ホントで全部ウソ」前口上